ゼロについて(1) ゼロでわること~いろいろなゼロ
2012年にある小学校で『9÷0』という計算問題が出され、先生が『9÷0=0』であると教えたことで少し話題になったことがあります。本当の答えは『9÷0は計算できない』『0で0以外の数字をわってはいけない』です。
ゼロという数字はなかなか面倒な数字だと思うので少し考えてみました。まちがっているところもあるかもしれません。間違っていたら教えて。
ゼロでわってはいけない理由
9÷0=a だとします。
両辺に0をかけると
9÷0×0=a×0 となります。
9を0で割って0をかけているので、左辺は9です。
どんな数も0をかけると0なので、右辺は0です。
ということは 9=0 となってしまいます。
ゼロでわってはいけない。というより、ゼロでわっても答えは出ない、ゼロでわることは不可能ということです。
ゼロでわるとどうなるか。
ある人によると「世界が破滅する」そうです。
そのことは、ゼロについて(2)でお話ししたいと思います。
ゼロの概念
ゼロの概念は紀元後に確立しました。
メソポタミアやマヤでは、数のある位が空白になる場合0を表す文字を使っていました。
例えば 2020の百の位(くらい)と一の位(くらい)は空っぽなので、なにか入れておかないと22と表記することになってしまうので、2*2*のように「この位には何もないですよ」というマークを使ったようです。
但し一つの『数』としての『0』はまだ認識していなかったのです。
エジプトでは何もないという意味のゼロを認識してましたが、0を計算式で使うとややこしくなるので無視していました。
古代ローマのプトレマイオスは分と秒の部分にゼロを導入しました。
インドでは西暦600年頃 ブラーマグプタという数学者が0についての概念を確立したのですが、1点だけ『0÷0=0』 と定義しました。現在と異なる定義です。
『0÷0』の答えは『どんな数でもいい』となります。(これを『不定』といいます)
このことも また後日に書きます。
インドの数学ではゼロをサンスクリット語のシューニヤ「膨れ上がった」で表しています。
シューニャは インドでは「膨れ上がった」、「うつろな」を意味し、転じて、膨れ上がったものは中空であるの意味があるそうです。
『シューニャ』は仏教における『空(くう)』という基本教理「我体・本体・実体と称すべきものがなく空しい(むなしい)こと」を表す言葉だそうです。
*ちなみにグランブルファンタジーの武器の一つに「シューニャ」というものがあります。数字の「0」を表現した、ダマスカス鋼で作られた楕円形の物体のことです。
いろいろなゼロ
基点やスタートを表すゼロもあるのですが、紀元も元号も0年は存在しません。紀元1年(元年)の前の年は紀元前1年となります。
ただ、インドのヒンドゥー暦は西暦78年をインド国定暦0年としているそうです。
天文学では紀元前1年を0年とし、紀元前2年を-1年としています。
満年齢の数え方は、誕生した日や年を「0歳」「0年」とします。
ある出来事の期間が満了するときは、起算日の前日が満了日となります。
起算日は初日を除くと翌日とするので、満了日はある出来事が起きた日の翌日(起算日)の前日だから ある出来事が起きた日となります。ややこしいです。
だから〇〇記念日は出来事が起きた日に満了すると言うことで、結婚記念日と結婚満了日が同じということになります。(結婚終了ではなくて満了です。)
結婚した日が2020年1月1日の場合 起算日は翌日の2020年1月2日です。
1月2日が起算日なので1年後の満了日は2021年1月2日(起算日)の前日である2021年1月1日となります。
ところが、年齢計算の場合、例外的に誕生日を起算日としているので、満了するのが起算日(誕生日)の前日ということになります。
つまり、誕生日の前日の午後12時に1つ年をとることになりますか?
さらに、年齢には「数え年」という数え方があります。
数え年は、生まれた時の最初の年を1年とし以降1月1日が来るごとに1歳ずつ加える数え方です。
12月31日に生まれたらその時が1歳で翌日元旦を迎えると2歳になります。
0歳がありません。
妊娠した時も「妊娠0カ月」はありません。(おなかの中に1年くらいいたので いいか、みたいなことでしょうか?)
競走馬は生まれた時0歳で元旦を迎えるごとに1歳加えていきます。
韓国では数え年で年齢を数えます。
電気抵抗が0になると超伝導といいます。
日本では 皇紀2600年(西暦1940年)に採用された兵器につけた型式が 陸軍では100式 海軍では零式でした。
100式重爆撃機「呑龍」(居酒屋かラーメン屋みたい) 連合軍のコードネームは「ヘレン」です。
名前の由来はこの爆撃機の製作を請け負った中島飛行機の工場の近くに、江戸時代に貧乏人の子弟を養育した「子育て呑龍」という浄土宗の僧「呑龍」が開山した大光院というお寺があったからです。
零式艦上戦闘機(零戦) 連合軍のコードネームは「ジーク」 または「ゼロ」
ガンダムの百式はMSA-099の次であったことと「100年使える」という意味で百式となりました。
ゼロではなく100の話になってしまいました。元に戻します。
テニスでは0点を「ラブ」といいます。
英語のloveかと思っていたらフランス語の「たまご」だったと知ったのは最近の話です。
夜帰宅して間に合えば 時々みるニュース番組 「NEWS ZERO」
原点にかえって考える という意味らしです。
さらに、たまに気がついたときに再放送を見るNHKの「サイエンスZERO」
「サイエンスアイ」の後継番組です。
XEROX(ゼロックス)
乾式複写機を意味する造語。ギリシャ語で「乾いた」を意味するXEROSに、FAXのXが組み合わされています。
0とは関係ないようです。
ちなみに XEROXが「複写する」という意味の動詞に使われることを、ゼロックス社は危惧しているらしいですが、商標権の問題でしょうか?
ちょっとふざけてしまいました。
ゼロについて(1) ゼロでわること 終わり