おもしろいかな算数(12) 日本の数字の歴史①(セミナー通信 2021年07月号)
セミナー通信2021年07月号 記事
おもしろいかな算数 (12) 日本の数詞①
外国の数字の話ばかりでしたが、日本の数字(数詞)についても調べてみましょう。
数を数えるときどんなふうに数えますか?
「いち、に、さん・・・」ですか?それとも「ひとつ、ふたつ、みっつ・・・」ですか?
「いち、に、さん・・・」は漢字の読みですから漢字が伝わった時から用いられています。
「ひとつ、ふたつ、みっつ・・・」はいつから使われているのでしょう。
実はよくわからないそうです。
現代数詞と古代数詞を並べてみました。
古代数詞 現代数詞(漢字)
1 ひ イチ
2 ふ ニ
3 み サン
4 よ シ
5 いつ ゴ
6 む ロク
7 なな シチ
8 や ハチ
9 ここの ク
10 とお (そ) ジュウ
11 とおあまりひとつ ジュウイチ
20 はた ニジュウ
30 みそ サンジュウ
40 しそ シジュウ(よんジュウ)
50 いそ ゴジュウ
60 むそ ロクジュウ
70 ななそ シチジュウ
80 やそ ハチジュウ
90 ここのそ キュウジュウ
100 もも (ほ) ヒャク
130 ももあまりみそ ヒャクサンジュウ
200 ふたほ ニヒャク
500 いほ ゴヒャク
970 ここのほあまりななそ キュウヒャクシチジュウ
1000ち セン
10000よろず マン
10(とお)は30以降は「そ」といいます。同じように100(もも)は200以降は「ほ」といいます。
日本の古代の数は十進法だということがわかりますが、10より大きい数を表すことはあまりなかったようです。だから、11は「とおあまりひとつ」(11+1)のようにあらわしたようです。
ところで皆さんは数を数えるとき「イチ、ニ、サン、シ、ゴ、ロク、シチ、ハチ、キュウ、ジュウ」と数えますか?
では、ジュウからカウントダウンするときはどうですか?
「ジュウ、キュウ、ハチ、なな、ロク、ゴ、よん、サン、ニ、イチ」じゃないですか?
7と4は古代数詞が混ざっていますね。これは多分言いやすいからだと思いますが、このように、二種類の数詞を使っているのは、日本と韓国だけのようです。
さらにいうと、「ゴ、ヨン、サン、ニ、イチ、ゼロ」といいますよね。ゼロは英語ですから、3つの数詞が混ざっています。0は「レイ」といいます。 もともとあった古代の数詞に中国から漢字が西洋から英語が伝わったことで、三種の数詞ををうまく使うようになったようです。こんなところは日本人の柔軟性といえるでしょうか。