ウイルスって何なん? バイキン? 細菌と違うん?(1)

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●「ウイルスは生物やない。」 じゃあ、ウイルスって何ん?

●コロナウイルスは怖い。 このウイルスから身を守るには

細菌は生物だが、ウイルスは生物ではない。

 ウイルスと細菌は全くの別物です。
 「細菌は生物で、ウイルスは生物ではない。」とされているのは、細菌は細胞であって、ウイルスは細胞ではないからです。 生物の教科書には「生物とは『細胞から成る』『代謝(たいしゃ)を行う』『自己増殖自己保存する』もの」と定義されています。ウイルスはこの3点のどれにも当てはまりません。

ウイルスは「ウイルス」


 タンパク質や核酸はとても複雑な有機物です。そのタンパク質や核酸からなる細胞という複雑な組織体の中で、その有機物が高度に作用しあって、代謝や生殖といった生命活動しているのが生物です。
 ウイルスもタンパク質や核酸から成ることには変わりはありません。しかし、細胞の構造を持たない、代謝しない、自己増殖できない、という点でウイルスは生物ではないのです。
 現代科学はヒトや細菌は生物で、ウイルスは「ウイルスである」と分類しているのです。

ウイルスと細菌の大きさと構造

 ウイルスと細菌は、大きさも構造も全く違います。細菌は学校の理科室にある光学顕微鏡(1,000倍程度)で観察できますが、ウイルスは電子顕微鏡でしか見ることはできません。ウイルスの大きさは細菌の1/50程度しかありません。
 細菌は水分や養分、適当な環境条件が整えば、タンパク質の合成や呼吸などの代謝、つまり生命活動を行います。そして、細胞分裂して仲間や子孫を増殖しています。
 一方、ウイルスは、自分の力では増殖できません。そこで、生きた生物の細胞に寄生してその栄養やエネルギーを奪ってDNA複製して自分の分身を()やしています。
 ウイルスもDNA、つまり「遺伝子」を持っています。その点では、タンパク質や核酸などの単なる化学物質の塊ではなく、複雑な仕組みを持つ生命体とも言えるかもしれません。

ウイルスの侵入からの防御

 ヒトに病気をもたらすウイルスとして、インフルエンザウイルス、ノロウイルスなどがあります。身近なウイルス感染症として、風邪(かぜ)ウイルスがあります。風邪は、さまざまなウイルスが引き起こすウイルス感染症です。
 細菌が病原となる感染症の消毒薬や特効薬はあるのですが、ウイルスにはワクチン以外の抗薬(抗生剤、抗生物質など)はありません。風邪の症状、熱・せき・悪寒(おかん)などを(やわ)らげる薬はあっても風邪を引き起こすウイルスに直接作用する抗菌薬はありません。ウイルスは「菌」ではないからです。抗ウイルス薬や特効薬はまだ少数しか開発されていません。コロナウイルスのワクチンもかなりの時間がかかりそうです。

コロナウイルスは恐ろしい。

 国内の新型コロナウイルスの感染者は17,000人以上、亡くなった方は922名、入院等が必要な感染者は900名以上となりました。(6/12厚労省)
 アメリカでは200万人、ブラジルでは80万人の人が感染しているようです。全世界では40万人以上の人がコロナウイルスで亡くなっています。
 コロナウイルスはインフルエンザなどの他の感染症と比べて、まだワクチンや特効薬が開発されていない、一旦、発病すると一気に重篤(じゅうとく)化しやすい、死亡率が高い、という点で大変怖い感染症です。

コロナウイルスから身を守るには?

 このウイルスの侵入から我々の健康や生命を守る方法はないのでしょうか?
 仮に新型コロナウイルスに感染しても、多くの人が発病しないようです。特に皆さんのような若い人がそうです。このウイルスに感染しても発病しないまま、そのことに気づかずに日常生活を送ることになるのです。
 そこが怖い感染症といえます。皆さんがカラオケやゲーセン、人ごみで罹患(りかん)して、気付かないままコロナウイルスを家族、友達や知らない人に拡散してしまうかもしれないのです。特に、お年寄りに感染させてしまうことは、恐ろしいことです。

ウイルスから身を守る普通の対策

 私たちの多くが、感染しても発病しないのは、我々が体内に「免疫」という、感染から防御する仕組みを持っているからです。 風邪をひいたら、「栄養を十分に()ってゆっくり寝る」のが一番なのは、そのことをよく言い表しています。栄養と睡眠で免疫力を高めているのですね。
 ワクチンや特効薬など有効な防御方法がない今、コロナと戦うには、徹底的な衛生管理と規則的な生活、十分な睡眠と栄養摂取しかありません。これらのことさえしていれば、過度に恐れることはありません。何しろ、今は、私たちはそれしかできませんからね。 

私たちにできる対策

 ウイルス感染症の予防には、対策には以下のものがあります。
 ●規則的な生活・朝食をしっかり()る・十分な睡眠(実行が難しい?)
 ●こまめに、石けんや消毒液などで徹底的に手を洗う(これはできる)
 ●空気感染を避ける(これもできる)
 ・人ごみに出ない
 ・マスクをする
 ・大声で話さない
 ・友達同士、接近しない、集まらない。
 ・くしゃみや(せき)をするときはハンカチやティッシュや腕で完全に口や鼻を覆う。(この場合、ティッシュは必ず何かに包んで捨てる、ハンカチは毎日洗濯する)
 ●塾や学校のトイレはなるべく利用しない。(家で済ます)

私たちの良識

 ●根拠のない(うわさ)や、ネット上のSNSなどの流言(りゅうげん)鵜呑(うの)みにしない。
 感染者に対する偏見を持たない。差別しない。
 ●医療従事者・保健所・学校・保育所・ごみの収集職員など職務上、感染の
 危険にその身をさらしている人に対する配慮や感謝の気持ちを忘れない。 (これはやろう!)

 次回のセミナー通信、(7/15)は、この騒ぎが収まり、もっと気楽でどうでもいい話をしたいですね。
 今後、下のことについてお話する予定。
 「免疫」
 「菌と菌類・生態系と菌類 菌との共生=菌類と発酵」
 「コロナウイルス禍」から私たちが学ぶべきもの
 「パンデミックの歴史」
 「読んでみよう、カミュ著作『ペスト』」
         野見山 廣保

参考文献
「生物基礎」数研出版
「生物」数研出版
「秋田大学大学院医学系研究科」ホームページ
「厚生労働省」ホームページ
「好きになる微生物学」渡辺渡著
「トコトンやさしい微生物の本」中島春紫著

語句・用語の説明
 

*「生物」の定義は諸説あります

*「細菌」や「ウイルス」の定義も諸説あります
 教科書には「生物とは『細胞から成る』『代謝を行う』『自己増殖・自己保存する』もの」と定義されています


















ウイルスの大きさ 20~300nm
 →0,0002mm程=1mmの五千分の1
 1nm(ナノメーター)=1mの十億分の1
 細菌の大きさ 1μm~10μm程→0,001~0,01mm程=1mmの百分の1
 1µm(マイクロメーター)=1mの百万分の1
 細菌の構造 →「原核生物」
 ・単細胞で細胞膜と細胞壁を持つ
 ・核膜はなく、染色体が細胞内に仕切りがない状態で存在している
 ・細胞内構造は染色体とリボソームのみ
 ・繊毛や鞭毛などの細胞外構造を持つものが多い
 ウイルスの構造
 ・核酸(DNAかRNAのいずれか一方)が、カプシドと呼ばれるタンパク質の殻で覆われている。また、インフルエンザウイルスのようにエンベロープ(封筒)と呼ばれる脂質に覆われているものもある。
 *DNAの複製
 生物を選択している高校生は 教科書の「バクテリオファージの増殖」を参照
 *DNA(デオキシリボ核酸の略称)遺伝子の本体

病原となる細菌と特効薬・治療薬・消毒法

 結核菌   ストレプトマイシンなど
 コレラ菌・サルモネラ菌・黄色ブドウ球菌など
 熱消毒/消毒用エタノール
次亜塩素酸ナトリウム、などの消毒薬
 
 百日咳菌   エリスロマイシンなど
 もちろん、特効薬や対処法があるにせよこれらの細菌がもたらす感染症も恐ろしい病気。














*志村けんさんがその例















ゲーセン=ゲームセンター 

*罹患=病原体に感染すること。感染しても発病しない場合がある。

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