ゼロについて(3) 真空と無と時間の始まり

今回はゼロからちょっとずれて「真空」や「無」について

 日本真空協会という団体があります。日本表面真空学会という団体もあります。
 真空技術の向上 真空分野の発展を計る団体です。
 毎年 「VACUUM 20**- 真空展」 が開かれています。今年で42回になるそうです。
 会場である東京ビッグサイトを真空にするというアトラクションはもちろん行われていません。
 2020年の開催にあたっての主催者のあいさつ
 「真空技術は、半導体、FPD、エネルギー、医療、分析、自動車、食品などの広範な産業を支える基盤技術であると同時に、素粒子物理学や宇宙科学などの基礎科学研究にも重要な役割を担っています。さらに近年は、省エネ・創エネといった地球環境やバイオメディカルなど、真空技術が貢献できる分野はますます拡大し重要性が高まってまいりました。」
 真空技術者という資格もあります。
 真空ポンプ.comというwebサイトがあります。http://www.shinku-pump.com/
 このサイトでは真空についての基礎知識が掲載されています。

 ゼロ=無=真空?

 皆さんが思う真空とはどんな状態ですか?
 何もない状態だと思いませんか?空っぽで何もないと思いませんか?

 真空の定義は日本工業規格(JIS)では「通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間の状態」となっています。
 何もないのではなく 圧力が非常に小さい状態のことのようです。
 このJIS規格の真空には 低真空(地上~約60㎞)、中真空(60㎞~90㎞)、高真空(90㎞~250㎞)超高真空(250㎞~)の種類があるそうです。
 ( )内は地球の大気圧で相当する地上からの高さです。
 エベレストの高さが8850m=8.85㎞です。
 飛行機はだいたい地上10㎞くらい上空を飛んでいます。
 オゾン層は高度10㎞~50㎞くらいの高さにあります。だいたい高度25㎞くらいが最も濃いところです。
 ISS(国際宇宙ステーション)は高度408㎞です。一般に高度100㎞を超えると宇宙といわれています。

 物理学ではちょっと違います。
 量子論では真空とは「十分な低温状態下を仮定した場合に、その物理系の最低エネルギー状態」として定義されています。
 常に電子と陽電子の仮想粒子としての対生成対消滅が起きてます。
 対消滅:粒子と、反粒子が出会うと、量子数が正と負で打ち消しあってゼロになり、真空と同じ状態になります。そしてそこには、もともと粒子と反粒子が持っていたエネルギーが残ります。これを対消滅といいます。真空と同じ状態ですがエネルギーが残っているわけです。
 
 昔の人は「」ということをどう考えていたのでしょうか。
 アリストテレスは「何もない状態なんてない。常に何かがある。」と考えていました。

 マクデブルクの半球

 「真空」からちょっとそれましたが、先の量子論で言うと、「真空」状態は存在するけど、「」状態は存在しない。137億年前 宇宙は何もないところからできたそうですが、何もないけれど真空エネルギーというエネルギーがあったのだそうです。
 この真空エネルギーって?? 真空からエネルギーが取り出せるそうなんです。はやく実用化すればいいと思いませんか
何もないところが始まりで 現在があるというのは不思議です。
 究極のゼロは 宇宙がポッできた瞬間が時の始まりであり、その一瞬前がゼロ(何もなかった)のでしょうか。
 時が始まったことで 「何もない」から「何かある」に変わったのでしょうか。
 そこまではずーっとゼロだったわけで、ゼロであった時間がはたしてどれくらいの長さか、ゼロがどれくらいの大きさか、は分からないです。
 「ずーっと何もなかった」って 何でしょうね?
 恐ろしいことに、私たちは頭の中でその「何もない」を想像したり、その時に身を置いて考えようとしています。
私たちが今を生きていくために「宇宙の始まり」は必要ないのですが、宇宙の始まり、時間の始まりがなければ今がないので、やはり 若い人たちは一度くらい宇宙の始まりとか、時間の始まりとか、何もないこと とか考えてもいいかもしれません。

 ゼロについて(3)真空と無と時間の始まり 終わり

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください